【中古戸建て・築古物件】契約書で「ここだけは!」絶対確認すべき3つの落とし穴
この記事で伝えたい結論は、「不動産売買契約書は、価格や物件の状態だけでなく、将来のトラブルを防ぐための『設計図』。初心者は特に、見慣れない専門用語や細かい規定に惑わされず、大家目線で確認すべき3つのポイントに絞ってチェックすることが重要」ということです。
「安いから」「なんとなく良さそう」で中古戸建てや築古物件に飛びつくのは、後で泣きを見ることになりかねません。特に、契約書には、表面的な情報だけでは見えてこない、将来の「困った」につながるリスクが隠されていることがあります。
ここでは、実務家として、そして大家として、初心者が特に見落としやすい契約書のチェックポイントを3つに絞って、現場でどう判断するか、という視点でお伝えします。
1. 「引渡し時の物件の状態」に『現状有姿』とだけ書かれていないか?
現地で見るポイント
契約書に「現状有姿(げんじょうゆうし)」と記載されている場合、それは「見たままの状態」で引き渡されます。これは、契約書上有利なようで、実は買主にとってはリスクが高い言葉です。
「現状有姿」と書かれている場合、内覧時に見えなかった隠れた不具合(雨漏りの跡、シロアリ被害、配管の劣化など)があっても、買主の責任となる可能性が高いからです。
- 購入前に確認すること:
- 契約書に「現状有姿」という言葉があるか確認する。
- もしあれば、それがどのような範囲を指すのか、担当者に具体的に確認する。「建物の主要構造部については、雨漏り、シロアリ被害、構造的な傾きがないことを売主が保証する」といった特約を付けられないか交渉してみましょう。
- 内覧時に、目に見える部分だけでなく、壁のシミ、床の傾き、窓の開閉具合、水回りの水圧や排水などを、できる限り詳細にチェックし、写真や動画で記録しておく。
大家目線での注意点
「現状有姿」で引き渡された物件は、購入後に「こんなはずじゃなかった」という修繕費の負担が大きくなる可能性があります。入居者が見つかった後に、急な修繕が必要になると、家賃収入が途絶えるだけでなく、追加の出費がかさみ、採算が悪化するリスクがあります。
2. 契約解除に関する「手付金」の条件は?
購入前に確認すること
不動産購入では、手付金(てつけきん)を支払うのが一般的です。これは、売買契約の証拠となるお金で、契約が成立した後は、買主が一方的に契約を解除したい場合は手付金を放棄し、売主が一方的に契約を解除したい場合は手付金の倍額を買主に返還することで解除できます(これを「手付解除」といいます)。
- 手付金の金額: 適正な金額か確認しましょう。一般的に、物件価格の5%〜10%程度ですが、あまりに高額すぎると、万が一の際に損害が大きくなります。
- 解約期限: 手付解除できる期限(通常、引渡し期日の前まで)を確認します。
- 「ローン特約」との関係: 住宅ローンが通らなかった場合に、手付金が戻ってくる「ローン特約」が付いているか、その期限はいつまでか、必ず確認しましょう。この特約がないと、ローンが組めなかった場合でも、手付金を失うことになります。
大家目線での注意点
「とにかく早く決めたい」という気持ちから、ローン特約の有無や解約期限をしっかり確認しないまま契約してしまうと、住宅ローンの審査が通らなかった場合に、大きな資金的ダメージを受けます。最悪の場合、物件を手放すこともできず、ローンだけを抱えることになりかねません。
3. 瑕疵(かし)担保責任(契約不適合責任)の期間と範囲は?
購入前に確認すること
「瑕疵(かし)」とは、物件の隠れた欠陥のことです。例えば、雨漏り、シロアリ被害、建物の傾き、給排水管の故障などが該当します。以前は「瑕疵担保責任」と呼ばれていましたが、2020年4月の民法改正により「契約不適合責任」となりました。
- 責任の期間: 通常、引渡しから2年~3年程度が一般的ですが、契約内容によっては短くなっている場合もあります。この期間内に隠れた欠陥が見つかった場合、売主に対して修繕や損害賠償を請求できるかどうかが決まります。
- 責任の範囲: どのような「瑕疵」が責任の範囲に含まれるのか、具体的に確認しましょう。雨漏りやシロアリ被害などは含まれるのが普通ですが、建物の「経年劣化」とみなされるようなものは、責任範囲外となることがあります。
- 「告知事項」の有無: 売主が物件の「告知事項」(心理的瑕疵など、通常は公にされない情報)を知っていたにも関わらず、それを告知せずに売却しようとしている場合、後々トラブルになる可能性があります。契約書に「告知事項あり」と書かれていないか、また、宅地建物取引業者から物件の重要事項説明を受ける際に、口頭での説明も丁寧に聞きましょう。
大家目線での注意点
築古物件の場合、経年劣化による不具合は避けられません。しかし、契約不適合責任の期間が短すぎたり、範囲が狭すぎたりすると、購入後に予期せぬ高額な修繕費用が発生した際に、誰にも責任を問えず、自己負担となってしまいます。これが、物件の収益性を大きく圧迫する要因となり得ます。
初心者がまずやるべきこと
中古戸建て・築古物件の購入は、価格の安さだけでなく、将来の「管理」「修繕」「賃貸」までを見据えた慎重な判断が不可欠です。契約書は、その判断材料を具体的に記した重要な書類です。上記3つのポイントを、まずはご自身でチェックできるようになりましょう。不安な点があれば、専門家(宅地建物取引士、弁護士など)に相談することもためらわないでください。
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※アナデジ大家
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