【実録】築古戸建て、いくらで貸せる?購入前に「ざっくり収支」を試算する5つのステップ
この記事で伝えたい結論は、中古戸建てや築古物件の購入は、安さだけで決めるのではなく、購入前に「家賃収入」と「必要経費」をざっくり試算し、採算が合うかを見極めることが重要だということです。机上の空論でなく、現場で実際に収支をシミュレーションする方法をお伝えします。
なぜ「ざっくり収支」が重要なのか?
「安いから買おう!」その気持ち、よく分かります。中古戸建てや築古物件は、新築に比べて価格が抑えられている魅力があります。しかし、購入後に「思ったような家賃で貸せなかった」「修繕費がかさんで赤字になった」という事態は避けたいものです。
大家として物件を運用するには、購入価格だけでなく、その後の家賃収入と維持管理にかかる費用を把握しておく必要があります。この「ざっくり収支」を把握することで、物件ごとの採算性が見えてきます。
1. 家賃収入の「ざっくり」見込みを立てる
まずは、その物件がどれくらいの家賃で貸せそうか、見込みを立てましょう。感覚ではなく、根拠のある数字で考えるのが大切です。
現地で見るポイント・購入前に確認すること
- 周辺の家賃相場を調べる:
- インターネット検索: 不動産情報サイト(SUUMO、HOME'Sなど)で、物件の周辺エリア(徒歩圏内や隣接する町名)で、似たような条件(間取り、築年数、広さ)の賃貸物件の家賃を調べます。「築古」「戸建て」といったキーワードで絞り込むと参考になります。
- 地域の不動産屋に聞く: 近くの不動産会社に立ち寄ってみるのも有効です。地域に根差した不動産屋さんは、そのエリアの家賃相場をよく知っています。
- 物件の「貸せる」ポイントを把握する:
- 立地: 駅からの距離、周辺の商業施設や生活利便施設(スーパー、病院、学校)の有無。
- 建物: 間取り、日当たり、収納の多さ、改装の余地。
- 競合物件: 周辺に似たような賃貸物件は多いか、少ないか。
- 「表面利回り」を計算してみる(参考程度に):
- 計算式: 年間家賃収入 ÷ 物件購入価格 × 100 = 表面利回り
- これはあくまで「表面上」の利回りです。実際には、空室期間や修繕費、税金などがかかるため、この数字だけで判断するのは危険です。しかし、物件の比較検討の参考にはなります。
2. 購入後に絶対かかる「必要経費」を洗い出す
家賃収入から、購入後の維持管理にかかる費用を差し引かないと、本当の利益は出ません。
大家目線での注意点・購入前に確認すること
- 固定資産税・都市計画税:
- 物件の固定資産税評価額が分かれば、おおよその税額を役所で確認できます。一般的に、土地と家屋の評価額に税率(標準税率1.4%)をかけたものが税額になります。築古物件の場合、土地の評価額が比較的高いこともあります。
- 管理費・修繕費(積立):
- 外壁・屋根: 築古物件は、雨漏りや外壁のひび割れ、屋根の劣化が進んでいる可能性があります。専門家に見てもらうと安心ですが、ざっくりと「数年おきに〇〇万円かかる」と想定しておくと良いでしょう。DIYで直せる箇所もあるかどうかも、後々のコストに大きく影響します。
- 水回り(キッチン・風呂・トイレ): 経年劣化で故障しやすい部分です。数十年使っている場合、交換が必要になる可能性が高いです。
- 給湯器・エアコン: これらも消耗品です。寿命を考えて、計画的に交換費用を準備しておきましょう。
- 火災保険料・地震保険料:
- 加入は必須です。建物の構造や築年数によって保険料は変わります。
- 修繕履歴・築年数からの推測:
- 可能であれば、売主や管理会社に物件の修繕履歴を確認しましょう。ない場合でも、築年数から「そろそろ〇〇の交換時期だな」と推測できます。
3. 購入時の「諸費用」を忘れない
物件価格以外にも、購入時には様々な費用がかかります。
購入前に確認すること
- 仲介手数料: 不動産会社を介して購入した場合にかかります。
- 登記費用: 所有権移転登記や抵当権設定登記などにかかる費用です。
- 印紙税: 売買契約書に貼る印紙代です。
- 不動産取得税: 不動産を取得した際にかかる税金です。
- ローン諸費用(住宅ローンを利用する場合): 保証料、事務手数料、火災保険料など。
これらは物件価格の5~10%程度になることもあります。事前に不動産会社や金融機関に確認しておきましょう。
4. 空室期間のリスクを考慮する
「毎月必ず家賃が入る」とは限りません。空室期間は収入がゼロになるだけでなく、管理の手間は発生します。
大家目線での注意点
- 最低でも「1ヶ月」は空室期間を想定する:
- 退去から次の入居者が決まるまで、スムーズにいっても1ヶ月程度は空室になることがあります。繁忙期や地域によっては、もっと長引くこともあります。
- 「募集活動」の期間も加味する:
- 物件の広告掲載、内見対応、入居審査など、募集活動にも時間がかかります。
- 空室が続いた場合の「貯蓄」:
- 万が一、空室が長引いた場合でも、生活費が回るように、ある程度の貯蓄(家賃収入の数ヶ月分)があると安心です。
5. ざっくり収支シミュレーションで「採算ライン」を見極める
ここまでで集めた情報を元に、ざっくりと収支を計算してみましょう。
現地で見るポイント・購入前に確認すること
- 計算例:
- 年間家賃収入見込み: (月10万円 × 12ヶ月)= 120万円
- 年間必要経費: (固定資産税・都市計画税 15万円 + 修繕費積立 20万円 + 保険料 5万円)= 40万円
- 年間キャッシュフロー: 120万円 – 40万円 = 80万円
- 表面利回り: 80万円 ÷ 購入価格 1,000万円 × 100 = 8% (※これは「実質利回り」に近い考え方ですが、諸費用やローン金利は別途考慮が必要です)
この「年間キャッシュフロー」がプラスになるか、そしてその金額が、物件価格や諸費用、将来の修繕費用などを考慮しても「許容できる範囲」かを判断します。
「この条件で貸し出せば、年間〇〇万円のプラスになりそうだな」「この物件は、購入価格に対して家賃収入が低すぎて、採算が合わないな」といった判断ができるようになります。
初心者がまずやるべきこと
まずは、気になった物件があれば、周辺の家賃相場を調べることから始めてみてください。そして、物件の「貸せる」ポイントと「修繕が必要な」ポイントを、大家目線でチェックする習慣をつけましょう。
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